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メルヘンわんこと一緒!!

第1章 1匹目




初めて手を繋いだ男の子が知らない人とか笑えないですよね


さっきとは別の意味を含んだ視線が私と男の子に集まる



「恥ずかしいぃいぃ」
という心の叫びをなんとか抑えて男の子を盗み見る


茶色くて綺麗な髪の毛
真っ白な肌
人形のように整ったかわいらしい顔
線は細いけどすらりとした姿

何処かふわふわした彼は見惚れるくらいに完璧な
容姿をもっていた




さっきから視線に刺々しいものが混ざっていると感じたのはきっと彼の容姿のせいだろう


そりゃあ元地味子の普通な奴がこんなに素敵な容姿をお持ちの人といたら嫉妬されるわな
と自暴自棄気味になる

しかも今は成り行きにしろ手を繋いでいるのだ


嫉妬されて当たり前と言い聞かせながらこの状況をどう解決するか考える



①無言で手を振りほどいて逃げる

②「いや~右手が寂しかったんですよありがとうございました」と言って逃げる

③「ありがとうございました」と言って逃げる



まず①は失礼すぎるだろ!とゆうことで却下
②も変態っぽいし
③が無難か「…ねぇ」


「へい!!」







いやいや
へい!!って…

急に話しかけられたんだとしてもへい!!って…


外国人または寿司屋のおじちゃんかよ

微妙にすべった気がするツッコミを心の中でしながら何もなかったかのように彼を見上げる


「名前…なんていうの?」
柔らかくて透き通った声

「…香月ゆらです」

「ゆらちゃん、僕はね天川奏っていうの」

そこらへんの女子よりかわいい喋り方と綺麗な声にどきどきしながらも

さも平常心を保っているかのように

「甘川くんよろしくね あとさっきはありがとう」
と言いながら
自然な動作で手を離そうと試みる

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