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大渕芹奈

第4章 先生と私

<悠哉と芹奈、別れた恋人なんだろ?>


何で知ってるの?

【何で知ってるの?】

私はもう一度、同じ言葉を口に出して言った。

<俺が悠哉に補修してる時に、悠哉が誰か宛に手紙書いてるのを見つけちゃったんだ>

先生は、ちょっとばつの悪そうな顔になってから続けた。

<芹奈へって書いあったよ>
先生は一瞬、切ない表情を見せた。先生のこんな顔を見るのは初めてだった。

<俺は教師として、手紙を取り上げた。補修中だったからな>

私はただ先生を見つめているしかなかった。

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