
夜の犬と首輪
第2章 2
学校から帰宅し、部屋に直行すると男が部屋に入ってきた。
男「リビングに来い。」
腕を掴まれ仕方なくリビングに行くと、母と10人ほどの黒服の男が私を待っていた。
何故か、
―逃げなきゃ――
という考えが頭を駆けぬけ、反射的に体の向きを変えたが、男の力によって腕から引き戻された。
男「どうぞ」
と男が黒服の一人に私を突き出す。
私の抵抗は勿論何の意味も無かった。
ル「…っ」
私を羽交い締めにして、別の一人が体を触る。
―気持ち悪い――
顔、首、胸を揉まれてお腹、太もも、脚……確かめるように触られた。
男「それで、いくらになるんだ?」
―――え?―
黒「3000万。」
それだけ言って黒服は近くのテーブルに札束を重ねる。
母は札束を眺め、にんまりとしながら私に冷たい視線を送った。
