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井上真緒編

第3章 3

真緒「地縛霊とですか」
母「あんた、そいつと話したのかい」
真緒「はい。本人は、神だっていってましたが、私はテレビでよく見る地縛霊だと思ってるんです」
母「ははは、そうかい。地縛霊だったらね、お祓いでも引っ越しでもいいんだろうけど、それとは違うんだよ。あんたが相手にしてるのは、神は神でも疫病神だ。それとも貧乏神といったほうがいいかな」
真緒「貧乏神」
母「そうだよ。本当に、自分を神だっていったのかい」
真緒「はい。神々を怒らせたら、大変なことになるとかって」
母「しょうもない連中だね。ただ、向こうはね、あんたから幸せのエネルギーを奪って生きてるんだよ。だから、あんたが不幸になればなるほどあいつらは居場所をなくして、引っ越さなくちゃいけなくなってくるんだ」
真緒「不幸って、これ以上ですか。私は、もう結婚が駄目になりそうなのに」
母「そうか。それは運がなかったね。それでも、あの連中は、なかなかでてかないだろうね。あんたは綺麗だよ。それだけ、幸せのエネルギーを持っているんだよ。だから、これからはもっと大変だ。結婚なんていうのは相手は、いくらだっている。それよりも今を何とかしなくちゃね」
真緒「そんな」
母「1つだけ、教えといてやる。あんたは、いろいろなことがうまくいかなくなってから見えるようになったんだろう。その疫病神が」
真緒「はい」

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