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井上真緒編

第4章 4

真緒「お金は取られていない」
チアキ「それだったらきっと、取材か何かでしょ。隠し撮りでもしていたのよ。不幸なOLの相談話に、お金なんか取れないでしょ。テレビだったら」
真緒「ねえ、どうしてあなた、ここへきたの」
チアキ「なんの話」
真緒「もともと、なんでここへきたのっていってるの」
チアキ「だから、あなたの不幸を見て見ぬ振りはできなかったの」
真緒「そんなの嘘だよ。何で、あんたが私に取り憑いたのかを聞いてるんだよ」
チアキ「そんな口を利いているうちは私は何も答えないわよ。取り憑いてるんじゃなくて、見守っているの」
真緒「だめだ、あんたといくら話しても、でまかせしか言わないんだから。ねえ、貧乏神ってみんなそうなの」
チアキ「あなた、その貧乏神っていうのだけはやめなさい。本当に今度いったら、酷い目にあわせるわよ」
真緒「ほんと、ただの貧乏神だ」

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