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井上真緒編

第4章 4

真緒は、こんなの本当に相手にしてられないと思った。ただ、こんなことを相談できる相手なんかいなかった。それはそうだ。こんなことを相談したら勘違いされるのが落ちだ。ただ、それでも相談するんだったら、やはりエリしかいないと思った。それで、エリに電話をして、相談があるといったら、明日会おうよいつものところでといってくれたので、持つべきものは親友だなと改めて真緒は思った。次の朝もチアキは、いたが、夜行性だからなのか、なにも話しかけては来なかった。真緒は、食事をして、テレビを消して、会社へ行った。会社では、仲間と田中と京王線の物件の話をした。

仲間「どうだ。見積もりは出したか」
真緒「もちろん、やりましたよ」
仲間「そうか。おお、これは珍しいな。こんなにしっかりやるなんて、これは田中の仕事だな」
田中「まあ、別に、僕は計算を出しただけです」
仲間「いや、それが立派なんだよ。こんな面倒な計算よくここまできっちりやれるよ。この価格は、どうやってだしたんだ」
真緒「会社で調べました。一応、周りとも比較して出したつもりですけど」
仲間「そうか。でも、自分の目で、みないとな。今日は、自分でみてこいよ」
真緒「え、見てくる」
仲間「あの辺の物件を見て来て、見当つけるんだよ」
真緒「それでわかりますか」
仲間「ああ、だいたいな。そういうのは田中が向いてるかもしれないな。しっかりやってこいよ」

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