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井上真緒編

第6章 6

そういって、みんな仕事をし始めた。真緒は、田中と京王線の物件の打ち合わせを午前中はして、午後からは、現場に早めに行った。現場は、もうかなりでき上がってきていて、今週で、終わりそうだった。後は、壁紙をはったり、ニスを塗ったりするのが残っている程度だった。ここはリフォームの物件だったので、できあがればもうすぐに売ってしまうのが普通だった。それなので、今日でだいたいの人が、この現場は終わりだった。真緒は、コーヒーと高そうなプリンを買ってきて、みんなをねぎらった。その時に、小倉から電話があって、食事をどうしようといってきた。真緒は、適当に話をあわせたが、その日は行かなかった。会って、別れ話をすることもできたかもしれなかったが、なんか体調があまりに悪すぎた。それに、仮に体調がよくてもいったかどうかは分からなかった。もうこのままあいたくない気もした。仕事が終わって、真緒は、すぐ会社を出た。もう体はへとへとだった。

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