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井上真緒編

第1章 1

エリ「ねえ、真緒どうしたのよ。そんなに飲んで」
はるな「とうとうだめになった。あの前から駄目になりそうな結婚」
真緒「うるさい。うれしそうにいうな」
エリ「どうしたのよ。考えすぎだよ」
真緒「違う。そんなんじゃない。もう全然駄目」
はるな「でも、これでわたし先越されないで済みそうだね。ほんとうは、あせってたんだよね。でも焦る必要もなかったね」
エリ「なにいってるのよ。まだ26じゃない」
はるな「そんなことないよ。結婚のチャンスなんて、そんなにないよ。真緒だってこれが最後のチャンスかもしれなかったんだから」
真緒「最後って、怖いこといわないでよ。あんたこそ一回もプロポーズされないまま、年とるんじゃない」
はるな「今度はわたしをねたむの」
真緒「あんたなんか、ねたむほど幸せそうにも見えないよ」
はるな「きっと女だね。愛想尽かされたんだよ」
真緒「違う、そういうんじゃないんだ」
はるな「じゃ、どういうのよ」
真緒「わからない。とにかく、うまくいかないの」
はるな「そりゃ、女がいればうまくもいかなくなるよ」
真緒「だから違うっていってるじゃない」
はるな「そんなの真緒には分からないだけだよ」
真緒「あんたはさっきからなんなのよ。わたしの結婚がうまくいかないのがそんなにうれしいの」
はるな「別に、誰もそんなこといってないじゃない。ゴールは意外に遠くにあるってことなのよ」
真緒「何よ、ゴールって」

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