2人の男の攻略法②
第4章 捨てないで・・・
今日は朝から仕事だった。
翔と雪は同じ現場で、圭はドラマ撮影だ。
翔と雪が一足早く家につく。
「今日は鍋だったよな~。
圭が材料買って来るって言ってたのに、まだ帰ってないじゃん?」
「あ~。撮影おしてるのかも。
なんかさ、凄いお芝居下手なアイドルが恋人役らしいよ!
何回も同じセリフ言って飽きたって、この間圭が言ってた!」
クスクスと楽しそうに笑いながら雪が言う。
「じゃあ、雪先に風呂入っておいでよ!俺、鍋とかの準備だけでもしとくし!」
「うん!ありがとう翔!
じゃあ入ってくるね。」
すぐに湯船にお湯をはって、
雪はお気に入りの桃の匂いの入浴剤を入れてすっぽり肩までお湯に使った。
20分ほど浸かってからルンルン気分でお風呂を出た雪は、翔のもとへと向かった。
「翔!お風呂出たよ!
圭はまだ帰ってこないの?仕事押してんだね~!
翔も先にお風呂入ってきたら?」
鍋のセットをテーブルに並べていた翔は、そうだな!とお風呂に向かう。
翔がお風呂場に消えてしまうと、雪はリビングにあるソファーに座って、ふぅとため息を吐いた。
今日も疲れたなぁ・・・
はぁ、お鍋楽しみ~!
なんか身体ポカポカして眠くなってきちゃったなぁ・・・
フゥ・・・・・
スースー
雪はそのまま重い瞼を閉じると、すぐに可愛い寝息をたてはじめた。
一ヶ月以上仕事を休んでいたせいで仕事は山積みになっていて、ここ何日かは睡眠時間がろくにとれていなかったのだから無理もないだろう。
しばらくはカウンセリングにも定期的に通う事になっている。
雪のスケジュールは仕事と病院以外無いほどに埋め尽くされていた。