2人の男の攻略法②
第4章 捨てないで・・・
翔がお風呂から出てくると、そこには小さな寝息を立てている雪がいた。
お風呂上がりのせいで少し薄着だった雪の可愛らしい太ももがチラチラと翔を誘惑する。
ソファーまで近寄るとフワッと桃の香りがして思わず抱きしめたい衝動にかられる。
「雪・・・こんなとこで寝たら風邪ひくよ?」
「んん・・・・」
肩を揺すって起こそうと試みた翔だったが、雪は起きる気配がない。
お風呂で蒸気したままの頬を優しくなぞる。
キス・・・したい・・・
衝動にかられて翔は寝息を立てている雪へ久しぶりのキスをした。
チュッ――――
柔らかい唇の感触。
暖かい雪の頬。
久しぶりに雪に触れたいという欲求が急激に加速する。
「ゆき・・・」
翔は雪の首筋に舌を這わせると、ピチャピチャと音を立てて舐め始めた。
「ん・・・・なに・・・・」
とその時だった・・・
雪がゆっくりと瞼を開けた。
『なんだ翔か~』
って言って笑ってくれると
そう
思ってた。
のに―――――
「やっ!!ヤダ!!
気持ち悪い!!!!!!!!」
雪の言葉に
翔は愕然とした・・・
雪の頬に置かれていたはずの翔の手は振り払われ、赤く痛む。
「き・・もち悪い・・・?」
ツキツキと痛む心臓。
刃物でえぐられているかの様な鋭い痛み。
「しょ・・・う・・?
ご、ごめん・・・ちがっ」
「雪・・・気持ち悪いの?
俺の事・・・・嫌・・・?」
喉の奥がキュウっとしまって、息をするのが苦しくて・・・
「違う・・・寝ぼけてて・・・
ごめんなさい・・・」
あの時の
あの男の舌の感触が・・・
まだ
首筋に残っていて・・・
気持ち悪くて、吐き気がして・・・
「ごめんな・・さい・・・
翔・・・僕・・・」