テキストサイズ

恋愛ごっこ

第1章 病院で見かけた少女

病院に着くといつもの道順で森山の病


室に向かった。


「お!輝一!来てくれたのか。」


森山は数学の問題が解けずに諦めて机


に突っ伏してたのであろう体勢から身


体を起こした。


「ああ。また退屈してるんじゃないか


と思ってな。」


俺がそう言うと森山はニヤリと笑っ


た。


正直いって気持ち悪い。


「んだよ。気持ち悪ぃ」


「な、きも・・・・・・!?」



「で、どうしたんだよ。」


俺は再度尋ねた。


「・・・なんか納得いかないけど仕方ない


か。」


そう言うと森山は紙とペンを取り出し


、それに『段々暖かくなってきました


ね。もうすぐ春ですよね。』と書い


た。


「・・・・・・?何やってんだ。お前。」


俺が不審そうに尋ねると、森山は紙を


窓にぴったりと張り付けながら言っ


た。


「まあ、見てろって!!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ