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恋愛ごっこ

第3章 父親

あの日から俺は優羽の病室に行ってな


い。


けどま、森山の見舞いは毎日行ってる


し。


たまに病室の前を通り過ぎることもあ


るけど、優羽は全然こっち見ねぇし。


 と、いうわけで今日も優羽の病室の


前を通り過ぎた。


「──────。」


中から声が聞こえる。


何だ?


男・・・?


「本当に悪かった。父さんを許してく


れ。」


「今更何よ。あんたなんか父親じゃな


い。とっとと出て行って。」


父親?


「まだ、許してくれないのか?確かに


父さんは悪かったよ。でも、あれは


仕方がなかったんだ。


母さんだって・・・」


「出てって!!」


相変わらず容赦ねぇな。


でも・・・一体何があったんだ?


「・・・・・・分かった。また来るよ。許さ


ないのは優羽の勝手だが、父さんは今


でもお前を娘だと思って愛してるから


な。」


優羽の父親はそう言うと病室を出て


行った。


・・・なあ、おい、優羽。


何でお前、親父にあんな事言ったんだ


よ。


何でお前、そんな嬉しそうなんだよ。

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