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パパはかわら版

第6章  パパはかわら版E

橋龍「米の値段ていうのは不思議でね、景気に左右されたり、商人の思惑に左右されたりする。もちろん、役所の政策にもだ。今回は、まだ飢饉にはなっていないからいいようなもの、もしそうなれば、庶民の生活は、成り立たなくなる。一番まずいのは、米の値段が上がって、税が重くなることだが、どうしても、その前には、手を打ってもらわないと困るわけだ。それと一番問題なのが、貧しいものが増えている、こういった連中を放っておくのかどうするのかも、考えなくてはいけないはずだ。つい最近までは、だれもが、乞食だと貧民をバカにしていた。どうだい、それが、誰もがああいった立場になってもおかしくない時代になってしまったんだ、そうなってしまえば、ここをどうするかだろう。役所も、お侍に対する徳政は出しても、庶民を放ったらかしにしていては、政をないがしろにしているといわれてもおかしくないのではないのか。とにかく、貧しいものを救済するというのだけはやるべきだ」

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