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パパはかわら版

第2章 パパはかわら版A

橋龍「君らなあ、自分が何をしているのか分かっているのか。誰が、近所付き合いをしてくれと君らに頼んだんだ」3人は、何も答えなかった。とくに初江と幸江は自分たちが怒られているという意識はあったようだ。
橋龍「私はね、君らが行くところがないと言うから、しょうがないからおいてやっているんだ。それを肉鍋なんかにつられて」
初江「それでも、楽しかった。私たちも、あんなお父さんがいいよね」
橋龍「だから、私は、君らのお父さんでもパパでもない。君らが勝手にそういっているだけだぞ」
幸江「それはちょっとおかしいよ。私達だって、お父さんがいるって言うから、ここへきただけ。もしパパが、ほんとうのお父さんなら、そんなこといっていいの」
橋龍「私はね、だから当分の間は置いておいてやると言っているんだ。その間に君らのこともちゃんと調べるよ。ただね、その間は、静かにしてろと言っているんだ。間違っているか」
良江「お父さんは、間違っていませんよ。私は、身元が分かるまで静かにしています」
初江「あんたは、こんなときに点数稼ぎしようってのね。しんじられない」
幸江「私も、パパがそこまで怒る必要はないと思う。お金だけ渡して、後は知らん顔なんて、面倒見てるとはいえないと思う」
橋龍「うるさい、とにかく、私の言うことが聞けないんだったら、すぐにでてけ。 どうなんだ。分かったんだな」
3人とも、は~いと言ったが、初江と幸江は気がない感じだった。橋龍は、書斎に入っていき、初江と良江はまた少し言い合っていたが、そのうちそれもやんだ。

夜も更けて、橋龍が寝ようとしたときに、良江が入ってきて、布団を隣に敷いた。橋龍は、約束したので、何も言わなかったが、もちろんその夜は、一睡もできなかったのだ。歯ぎしり女のために。

第一話 完

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