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Halloween ー影なる聖夜ー

第3章 画策



「そんなに急がなくても良かったのに...」



 俺がビラ配りをしていた場所で、彼女は電信柱にもたれて空を見上げていた。

 その姿が余りにも儚げで、そのまま居なくなってしまいそうで、何故か俺はそれが嫌で、悲しくて、意識せずに走る速さを上げていた。


「で......俺に、用って?」


 息を整えながら、彼女と向き合う。


「あ...うん。何か私が急かしたみたいでアレなんだけど...
今晩、暁紘クンの家に泊めてもらっちゃ駄目かな?」

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