
Halloween ー影なる聖夜ー
第5章 距離
さっきの電話は舞衣に関連したものだったらしいから、母さんに聞こうと思い居間に降りる。
「...ヒロ...」
電話を終わらせた母さんは、俺を視界に収めると、どこか悲しげな目で見てきた。
「あなたが覚えているかは分からないけれど、小学校の時に仲が良かった帆群さんの娘さんが、昨日の明け方、飛び降り自殺を図ったらしいの」
どう切り出そうか迷っていたら、母さんの方から話し始めてくれた。
衝撃的な話のはずなのに、俺の頭の中にかかっていたもやがはれたようなきがした。
ーーあぁ、メモにあった『飛ぶ』はそう言う訳か、と。ーー
