
Halloween ー影なる聖夜ー
第3章 画策
「怖い顔してるね...」
そう彼女は言うけれど、のんびり屋の母さんが作ったものだから、本場のよりは幾分おっとりとした顔立ちである。
怖い、と言うほどではないと思う。
「そうかな...?」
「怖いのっ。ーーだから、少しの間だけ後ろに向けててくれないかな?」
と、本当に怯えた顔をして頼んでくる。たかがカボチャにそこまで怖がること無いと思うのにな、と思いながら後ろに向けてやると、彼女は途端にほっとした顔になる。
「これでいい?」
「うん、ありがと」
