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天海有紀編

第1章 1

「あ、いましたよ」
「そう、どれくらい前」
「え、そうですね。もうずいぶん前。4,5ヶ月前ぐらい」
「、、、そう。どういった男だったの」
「何人もいたんです。でも、みんなにたような人だった」
「、、なによ。かけもち」
「、、、はい。みんな上司だったんです」
「え、なに。あんた上司と不倫ばっかりしてたの」
「あ、、、」
「まさか、それで首になって、うちにきたんじゃないでしょうね」
「、、だめですか」
「なにが」
「いえ、首かなと思って」
「、、そんなんで首になんかしないわよ。社員の恋愛になんか、口出しもしなければ、嫉妬もしないわよ。だいいち、うちには、男の社員っていったら木下さんしかいないでしょ」
「でも、あの人本当に優しい」
「え、あんた、あんなんでもいいの」
「ええ、分からない。私の場合、みんな言い寄って来るんです。知らない間に抱かれていることが多かった」
「それは、あれでしょ。噂でも立っていたのよ。誰とでも寝るっていう」
「そうかもしれない。そうだったのかな。最近は若い子なんかも多かった」
「、、そう」
「でも、私は、若い子よりも、年上がいいみたいなんです」
「、、ふうん、、」
「なんか、そっちのほうがしっくりくるんですよね」
「、、それでも、さすがに、木下さんてことはないでしょ」
「そうですね。前の会社では、みんな偉い人でした。、、、木下さんとは雰囲気は違っていた」
「、、、」

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