テキストサイズ

チェーンメール

第2章 混乱

堀 朱璃

天才、怪物そのもの。学力、容姿、運動神経は誰もが羨む。特にクラシックバレエの世界では天才と呼ばれていた。


整い過ぎた指の長さ、すらっと地面に吸い込まれる足、17とは思えない色気。上を向くまつ毛。


そのアカリちゃんが目の前に下着もつけず、大きなアクビをしている。震えが止まらなくなってきた。


「あんなの薬のせいだから。私は違う」


この子の前で犬以下の存在になりたいと思った私が恥ずかしくて逃げてしまいたかった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ