
大好きの意味
第2章 相沢 桃
クラスに入ると馴染みの皆が待っていた。皆と喋っていると先生が入ってきて、私は自分が何も用意してないことに気づき、焦って席に付いた。
「えー。突然だが、転校生を紹介する」
先生の驚きの発言に教室中がザワザワする。
「相沢…入って来い」
体育会系の先生は、偉そうにその子を呼んだ。教室のドアがそっと開き、入って来たのは可愛らしい清楚な女の子だった。
明るい茶色の髪は染めてはなさそうで、下方の毛はくるくると胸の辺りまであった。
女の子は恥ずかしそうにちょこちょこと入ってきて、
「相沢 桃、です…よろしくお願いします」
と、やっと聞こえるか位の小さな声で呟いた。
「おし、じゃあー。相沢は宮崎の隣な」
「あっ、はい!」
私は急に自分の名前を呼ばれてビックリした。隣に来た桃ちゃんは前に居るときより全然小さく見えた。
っていうか小さかった。
