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澪―みお―

第2章 井藤 美智子

その手紙が届いたのは、暖かい陽気も過ぎたころだった。
私は汗ばんだ寝間着を脱ぎ捨て、真新しいシャツに手を通す。
いつものように郵便受けから郵便物を取り出し、ピタリと止まった。
届いていたのだ。
それが。
男にしては、真っ直ぐで乱れのない字。
゙井藤美智子様゙
白い封筒にはそう書かれていた。
封筒の中には、今年の冬で19になる私の愛娘の写真が…あるはずだったのだ。
封を切ると、私の予想は裏切られた。
入っていたのは、一枚の味気ない紙切れだった。
その紙切れに書かれていた内容は、私をひざまずかせるには十分過ぎるものだったのだ。

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