
愛されて。
第1章 第Ⅰ章
「瑞希だよな?
お前、あの頃と全然変わってねーな。」
航輝…
貴方も
「貴方も変わってないわよ」
「そういや、お前、なんでこんな所にいるんだ?」
「仕事帰りよ。
航輝こそ、どうして?」
そう言うと、なぜか顔を赤らめた。
熱でもあるのか、と思いおでこをさわると航輝に怒られた。
「なぜ怒るの?まぁそれはいいとして、なぜ此処にいるの?教えて?」
あたしが知りたいのは、なぜ貴方が此処にいるのか。
もう二度と会えないと思っていたから…
返事を待っていると信じられない言葉が降ってきた。
「お前に…瑞希に逢いたくて。」
あり得ない。
貴方が此処にいる理由が、あたしに逢いたくて…?
そんなはずはない。
貴方には、彼女がいて…
それでッ、あたしは……
未だ話している航輝に言った。
「貴方、彼女いたじゃない。
彼女はどうしたの?」
「とっくに別れたよ。
瑞希が俺の傍を離れた時に、気づいたんだ。俺が必要としてたのは、彼女。嘉穂じゃなく、瑞希…お前だって事に」
うそ、よ。
「嘘よ…」
「嘘じゃない。本当だ。
俺とやり直してほしい」
