幼なじみ
第2章 心のモヤモヤ
俺の予想が当たった通り、その日を境に俺らは一緒に帰る日がなくなった。
「じゃあな、真尋!」
今日だって一緒には帰らない。
今ではこうして別々に帰るのが当たり前になっている。
ふたりは今や学校が公認する、美男美女カップルと有名だ。
人目をはばからず抱きついたり、キスをするのは、もう見慣れたものだ。
…見慣れたけれど、何故か見るたび悲しいような、モヤモヤとした不思議な気持ちになる。
この気持ちがなんなのか、俺には全くわからない。
そして、俺はいつのまにか、日比木沙耶という存在が苦手になっていた。会話を交わしたことなんて、一度もないけど。