幼なじみ
第1章 幼なじみ
「なんで立ち止まってまでして俺の家なんか見てたんだよ?」
赤色の派手なネックウォーマにすっぽりと首を通した翔が、首を傾げて俺の顔を覗き込む。
綺麗に整った翔の顔が間近にきて、俺は不覚にもどきっとしてしまった。
「べ、別に…何となく」
俺は翔から顔を逸らして、足早に歩きだした。
俺は男だってのに、男相手にどきっとしてしまうなんて…どうかしてる。
きっと、翔が女みたいに綺麗な顔してるから、変にどきっとしてしまうんだ。
それだけだ。
俺は、心の中でそう呟き、必死に自分自身に言い聞かせた。