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Tears【涙】~神さまのくれた赤ん坊~

第4章 ♠RoundⅢ(淫夢)♠ 

 またも想いに沈んでいる紗英子の耳を、直輝の声が打った。
「凜工房の時計なんて、安いものでも五万はくだらないだろう? 嬉しいよ。ありがとう」
 邪気のない笑顔は、本当に中学生の彼に戻ったようだ。やはり、直輝が時計通だというのは本当なのかもしれない。あの時計店の販売員は、凜工房の時計の良さは、通にしか判らないと言っていた。

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