愛恋縁一方的愛情劇
第3章 監禁?束縛?
あー、今のは気が利かないよね…。
大丈夫、僕は平気だよ!!
とか言えば良かったかな。
「俺さ、結構昔から二重人格でさ…」
「あ…ぅん。」
「これ、俺、惇ね。」
惇君は自分を指差して、わざわざ教えてくれた。
それにうん。と首を振る。
「もう1人は、俺も知らない。…だけど」
「だけど?」
僕は続きの言葉が気になり、ゴクリと生唾を惇君のように呑み込んだ。
「カイによると、最悪らしい。」
「…最悪…」
「そ、最悪。ソイツさ、俺よりドSらしくてさ…ずっと敬語喋るんだってよ。気持ち悪いよな。」
惇君は顔をしかめながら言ってくる。
「そんなことないよ。うん、だって惇君は惇君じゃないか。」
僕は思わずそう言ってしまった。
たとえ二重人格でも、惇君は惇君でしょ?
人格変わったって、そんなに変化なんてないよ。
「ホントに思ってる?だって、何時も敬語なんだよ?俺なら耐えらんないよ。もし、亮に危害加えたら許さねぇけど、まあ気をつけててくれな。」
惇君は僕の頭を撫でた。
僕は、少しでも惇君を安心させたくてニコッと笑顔を見せると惇君もホッとしたのかこれまで緊張のせいでひきつっていた頬が緩んだ。
僕もそれを見て、嬉しくなって笑って見せた以上に口に出して笑ってしまった。
「ふふっ…」
「うん、やっぱりそっちのが良いね。」
僕の頬を抓りながら伸ばしたり、ギュッとしたりして遊ばれる。
だけど、それさえも嬉しくて笑った。
惇君と僕は、ベッドに窮屈ながら横に並んで寝た。
惇君はずっと撫でてくれた。
だからなぜだか安心して眠れた。