
辛いことがあれば…
第2章 さっそく…
「人間らしく、傷つき、もがく」
小学生高学年の頃、好きで見ていた番組がある
10代のメンバーのみが集まり
スタジオにてあるテーマについて意見を繰り返す
直接、面と向かって意見を述べ合う。時に声を荒げ、熱く。
1人だけ、10代ではない“大人”が参加を許される。
その大人は、自分もその時代があったことを踏まえ、人生の先輩として意見を述べていた。
この番組にどうしても参加がしたく、新しいシーズンが始まる時に、新規メンバーを募集していたので、応募したことがある。
応募課題はたしか、「スタジオにて話したいことを原稿用紙に書く」だったように思う
もちろん制限字数ぎりぎりまで埋めたこと。
その番組のタイトルコールは、番組名を全力で叫んでいたものだった
同じ様に意見を述べ合う番組が、今も同じチャンネルでやっていて、その番組も好きで観ている。
ただ、話し合う方法が変わっていた。
1人つのテーマに対し“メーリングリスト”で繋がった“様々な世代”の人間が意見をぶつけ合うのだ。
タイトルコールは、番組名をナイショ話のように、囁く。
今や人と人が、直接面と向かって言い合う機会が少なくなったように思う。
誰かを画面の前で罵ることができ、
それは罵る側の心苦しさも軽減されている。
顔の見えない相手には、強気でいけるものだ。
そんな世代の本音を、囁く様に吐き出す。
誰にも直接見られていないからこそ、本音をこぼせる。
メーリングリストで繋がっているのは、
友達よりも遠く、でも心は裸でいましょうと約束した、いわば共犯者たちなのだ。
そんな時代に違和感を覚える
END
長くなってしまい、申し訳ありません。今回の作品はポエムと言うよりは、私が生きてきた時代から受けついできた“今”という時代を番組の話しに被せて書きました
さて、いかがだったでしょうか?
