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気になるアイツ

第10章 文化祭の告白

二人だけの気まずい作業は、初日の顔見せの日だけだった。

というか、結局風邪で3日も学校を休んでしまったのだが、気がつけば実行委員は猛烈に忙しくなっていて、気まずいどころか、なるべく話さないでおこうというのも無駄な抵抗だった。

そんなことしてたら間に合わない。

梨江子もそう思ったのか、冷たかった態度も軟化し、委員会の中では世間話の中に混ざってくるほどだ。

とにかくやる事が多くて、放課後はほとんど委員会で潰れ、帰宅時間も遅くなった。

気になっていた金曜日、梨江子はリコになっている暇もないようだ。

そのことにホッとしている自分がいるのに気づく。

日々増えていく作業と迫ってくる文化祭当日。

忙殺された非日常は、考える時間を奪い、梨江子との距離を縮めた。





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