さくらさく
第8章 7*祐樹の過去2nd*
「私だけならまだしも…祐樹にまで辛い思いをさせてるのに…」
「ホントに悪かった…」
「それじゃ許されないのっ!!」
母さんが…母さんみたいじゃない。
怖い、怖いけど…
「私じゃなくてもよかったでしょ?」
「……」
「アンタの性処理なんて、私じゃなくてもいいじゃない!!」
性処理……?
なんだ、それ。
わかんないけど…きっとそれは……
「やっと帰ってきたと思ったら、抱かせろ?ふざけないでよ。」
「私がどれだけ我慢していたと思ってるの?」
「ごめんなさ…」
「いったい何人の女を抱いてるの!?」
「…っ」
父さんは喋らなくなった。
…というより、喋れなくなった。
こんなこと言えるわけないよな…
俺が見てるのに、そんなこと言えないよな…
「祐樹に気を遣ってるの?今さら?」
「…言えるわけがない」
「言うだけじゃない。…見られてるんだから、大丈夫でしょ。」