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どらくえ3

第7章 いざないの洞窟

―…ん?

「おきてよ」

―うん?

「目を覚まして」

窓ガラスに朝日が射し込んでいる。

ベッドの上で華奢な女性の白い肌が輝いている。

シーツに身体が包まれていて胸は隠れているが、とても綺麗だ。

女性は横たわっているアベルの顔をゆっくり覗き込む。

逆光で顔がよく見えない…。

顔が近付いてくる。


とても穏やかで、幸せな時間…。


「ねぇ、起きてってば!」

―ん~なんか前にも同じシチュエーションがあったような…?


「アベル、起きてよ」

女性の顔が徐々にはっきりしてくる。

…これは。


「ああ、なんだリサか」


「そうよ、悪かったわね」

アベルは上半身を起こして頭を振った。

「夢かぁ…」

そこはベッドの上ではなかった。

「なによ、夢って。寝惚けてるの?」


「いや、まあいいんだ…それより、ここは…?俺達は旅の扉に入って…」

「そうよ、ここはいざないの洞窟じゃないわ。どこかはわからないけど」


見渡すと寂れた洞窟の中のようだった。

ここにも泉がある。

旅の扉だ。

特有の光が洞窟内を照らしている。

ムタイも起きてアベルの様子を見ていた。

イースは見当たらなかった。

空間を越え、別の場所へ来たのだ。

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