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切ない朝

第7章 もう少し

男の指はやさしく、割れ目から上のクリットの当たりを愛撫してくる。

昌子は背中側を男の胸に預け、首が肩のあたりから上を向くような体勢になっている。

まるで映画で見たエロチックな娼婦のようだ。

昌子の口からは途切れ途切れの吐息がもれている。

男の顔が昌子の耳の辺りにある。

男の吐息が昌子の耳の辺りに感じる。

男も興奮しているのが吐息の熱さでわかる。

昌子には男が感じてくれている事がうれしかった。

なぜうれしいのかは分からない。

しいて言えば、それが昌子の初めての大人の恋のせいなのかもしれない。

もちろん、昌子の倫理観ではこんな事は恋とか恋愛ではない。

いや、普通どんな人でもこんな事は恋でも恋愛でも、愛情でもないだろう。

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