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切ない朝

第7章 もう少し

ただの肉の喜びに心が錯覚しているだけかもしれない。

昌子の目に見えるすべてのものには今、現実感がなかった。

物の輪郭があわあわとしていて水の中にいるように見えるものが空気よりももっと濃密なもので昌子と現実を隔てているように感じていた。

ある意味、現実感が喪失されているから肉の喜びに心が翻弄されて恋心に似た感情を抱いてしまっているのかもしれない。

昌子はこの痴漢だった男に身も心も投げ出して、ゆだねたい思いに駆られていた。

昌子はその手に触れている男の物をすごくいとおしく感じていた。

男の指はずっとやさしく割れ目、クリットの付近を愛撫している。

昌子は気づいていなかったが男はその指を割れ目の奥、要はヴァギナの中に深く指を入れる事はしていなかった。

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