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切ない朝

第8章 岐路

そうやって昌子は3分ほどは立ち止まっていただろうか。

またホームが込みだしてきて、人が多くなってきた。

昌子は答えの出ない考えに見切りをつけて階段に向かって歩き始めた。

淫乱でエロチックな淫靡な昌子。

まじめで明るく、快活な昌子。

昌子はどちらが本当の自分かわからない。

今日、あの男に会って、触られる間はこんな事を考えるようになるなんて創造もしなかった。

全てはあの男に会ったことが私の岐路だったんだ。

昌子にとって今日の朝はもう一人の隠れた自分を知った切ない朝だった。


          -完-

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