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切ない朝

第8章 岐路

男は昌子に名刺を渡していたのだ。

結城 一平

名刺にはそう名前が書いてある。
携帯の番号も会社の物だろうが、メールアドレスもある。

昌子には男との時間は羞恥と惨めさの極地であった。

・・だけど、あのとき、感じて淫乱な振る舞いをしたのももう一人の私。私の中にあんな昌子がいるなんて・・・・だけど、今こうやって名刺を見るともう一度あの世界に行きたいと思う私がいる。
私には私が良くわからない。・・・

昌子は心の中で自分自身と会話していた。

私、どうなっちゃうんだろう。あの人にもう一度会いたいのかな。それとも好きになっちゃたのかな。ぜんぜん分からない!!!

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