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人類戦記

第8章 サラ・マグナ

奇妙な音が鳴り響いたかと思うと、緩やかな丘が立ち並んでいた大地が真っ平らに均されていた。

そして、その大地の真ん中で、ラチェッタと魔法使いは向かい合って立っていた。

次の瞬間、魔法使いが少し後ろに飛び下がったと思うと、左目を手で覆い、右目でラチェッタをじっと見たかと思うと、右目の奥底がじんわりと光り、ほのかな青色の光がラチェッタを包んだ。

その光を体に浴びたラチェッタの動きが止まり、息をする胸のかすかな動き以外に、ラチェッタの体は動かなくなってしまった。

‘’魔眼‘’―――。
ラチェッタの説明によると、その目から放たれる光によって、破壊、修復、硬直、運動、その他のエネルギーを操ることができるものだと言う。

魔法使いは瞬時にラチェッタに近づき、物凄いスピードで拳をラチェッタの胸に突き立てた。

ドスッ

鈍い音が広がる。
相手は女性と言えど、物凄い衝撃がラチェッタの体にかかっているのだろう。

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