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人類戦記

第2章 決別

僕らのお皿が空になる頃、ラチェッタは鋭い蒼色の視線を茂みに走らせた。

「シルラ、ちょっと後ろに下がってろ」
そう言うとラチェッタは服の袖ですっぽりと手のひらを隠した。

ラチェッタからピリピリと張り詰める空気を感じる。
こんな時はなにか危険が訪れるのだ。

茂みがゆらりと揺れ動いたかと思うと鮮やかな藍色のマントが翻り、ラチェッタの数cm前まで迫っていた。

ラチェッタは言った。
「デント・ミリフィサン。俺の幼馴染だ。」
デントと呼ばれた男は応えた。
「幼馴染?人類に味方する正義の味方気取りの裏切り者は俺の幼馴染には居なかったはずだが。」
ラチェッタは鼻をならした。
「フン、どうでもいいさ」

そう言った瞬間、二人は目にも止まらぬ速さで動き出した。

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