
なんやかんやでモテる主人公
第7章 ありきたりな気持ち
「南ーおはよう」
「…おはよう」
二度寝してしまった私は先輩に起こされて朝を迎えた。
「もう10時だけど学校行く?」
10時……もうそんな時間なんだ。
「……先輩は?」
「んー。俺は行くかな」
「そっか。私は今日ちょっと行きたい所あるしいいや」
そう言うとなぜか曇る先輩の顔。
「男の所?」
「男っていってもお兄ちゃんの友達のやってるカウンセリングの所だよ?」
ならいいやって笑う先輩。
あぁ…私が昔恋してたのはこの顔。この笑顔だっ……
「なぁ。南」
「ん?何?」
不思議そうな顔で彼を見ると彼は
「好きだよ」
そう言って私の鎖骨にキスマークをつけた。
「そ…そんなとこっ……//」
「俺のもんって証。もう手放さないから」
そう言って先輩はシャワーをしにお風呂場へ向かっていった。
もう手放さない……かぁ。
嬉しい!嬉しいはずな…のに…
どうして涙がとまらないの?
どうして私は泣いているの?
どうして私は彼じゃダメなの?
私…前に進み過ぎたのかな…
私を埋めるのは先輩じゃないの?
先輩じゃなきゃダメなんじゃないの?
自分がわからない。
私は先輩に何も言わずに
用意を済ませ外に飛び出した。
