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なんやかんやでモテる主人公

第15章 ありきたりな甘さ




″はなせーっ!!!!″





家の中から聞こえる兄の叫び声と

ドタバタっと言うなんとも

不快な音…








「もぅ…お兄ちゃん…」






私があきれかえっていると

先生は私を見てクスッと笑った。











「そろそろ行かないと

健介に南ちゃん取られちゃうなー」










ね?って微笑みかけられて…


くそぉ…


ずるいって……









ガンガンッと

玄関の扉に体がぶつかる音がした。








「行こっか」







先生は少し小走りで私の前に

走ってそして

クルッと振り返った。










「…足」






「???」





私がきょとんって顔をしていると

先生は私の足を見て言った。










「ヒールじゃ…

さすがに走れないよね?」







「あ…」







どうしてヒールなんて

履いてきてしまったんだろう…










今なんて、とてもじゃないけど

取りにいけそうにないし…











「よいしょ」








先生は



私の前でしゃがんだ。









「乗って?」

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