テキストサイズ

↑逆転↓御斗戯世界

第7章 絶望と希望

【Side: 璃斗】

ウィザードが、頭を掻きながら言いはなった。

「空間とか時間に歪みがあっから、充電とかすぐなくなっちまうんだろ。」

めっちゃ適当デスネ。確かにここの世界のこと全く知らないし、どうにも推測なんてできないけど…と、ここで気づいた。

今の私はあまりに無知である。

「というか、そろそろ説明してほしいんだけど?」

何をしようにも、私は何も知らない。ウィザードが私を連れてきた訳とか、この御斗戯世界のこと、あれやこれやと聞きたいことが思い浮かんでくる。

すぐに帰れないのなら、せっかくだしこのへんてこな世界を楽しまなくちゃ損な気がしてきた!!魔法は!?剣は!?精霊はッ!?

想像するだけで堪らない!さぁ、教えろ魔法使い!

「じゃあ……まずこの世界のことからだな。」

どこか機嫌のよさそうな声色で、ウィザードはそう言って、口で風船ガムを膨らます。

「くちゃくちゃ五月蝿い、それやめ…」

私が、「て」を言い終わる前にその風船ガムが弾けてそれで─

周りの世界が一緒で変わった。生活感ありまくりの部屋とは一転、目の前には大量の、本、本、本。ご立派な書庫である。

呆気にとられている私を見て満足したのか、ウィザードはしてやったりというような顔で口端を上げた。

「さぁ、楽しい楽しいお勉強の時間だ。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ