テキストサイズ

↑逆転↓御斗戯世界

第8章 お勉強の時間です。

【Side: 璃斗】

す、凄い!!ほんとに魔法みたいじゃない、ってか魔法か。そういえば一回空飛んだしね、私。

にしても本当に私は都合のいい夢をみているんじゃないかって思うくらい、私の中二病心を掴んでいる。風船ガムが割れたら景色変わるとか本当にマーベラス!

天井は高く、部屋は丸くなっていて、壁一面には難しそうな本が詰まっている本棚がびっしりある。案の上、どれも知らない文字──かと思ったけど、よく見れば、ちよくちょくわかるものがある。《last day》やら、《vendetta》とか英語のタイトルだけは読めた。

部屋の中央に置かれている机と椅子はエレガンティックでまるで貴族の屋敷の書庫みたいだった。

「話が長くなる。座れ。」

二つ向かい合わせになっている椅子の片方にウィザードは座って、私にも座るよう促した。そういうのって、お客さんから座るものじゃないのか。まぁ、今さらコイツにマナーだなんだって言っても直りそうもないか。

「ここはアンタの家の地下室かなんか?」

未だに熱が冷めないまま、周りを見回して言った。なんか、本棚が倒れてこないかで少し落ち着かない。

「正解。さっきいた部屋が俺の私室で二階部分、そしてここが地下一階だ。」

「その言葉から察するに、地下は何階もあるのね。」

それも正解、と言って指をクイッと曲げた。すると、一冊の本が本棚からすっと出てきて、ふよふよ浮きながら机の上に着地した。余談だけど、物体浮遊は、私の小説に出てくる革命軍の将軍の特殊能力である。

ウィザードの向かいの席に座ると、それと同時にひとりでに本がめくれた。

「まず、この御斗戯世界の仕組み、というか環境について、だ。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ