 
向かいのお兄さん
第9章 祭
―――――――――――
『うわーマジで人多い』
「だねー、はぐれないようにしなきゃ」
いつもは殺風景な公園も、この時だけは
色とりどりの屋台が立ち並び
物凄い賑わいを見せている
夕方からは、仕事終わりの家族連れなんかもたくさんいて
この場にいるだけでワクワクとしてくる
「から揚げ食べたいな」
『賛成』
長い列を並び
あたしたちはから揚げを手にし
祭の様子を見て回った
「あ、美咲ちゃんじゃん!!」
そう声が聞こえたのは、すっかり日の暮れてしまった夜の7時過ぎ
あたしが振り返ると、遥もつられて目を向けた
『…あ…どーも…』
あたしたちの目に映ったのは、イケメン労働者s
 
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