 
向かいのお兄さん
第9章 祭
『…』
あたしは
ついて行かずに、その場で立ち止まった
「どうした?」
『…』
直也は少し、足を戻し
あたしの前に立った
『もう…』
「?」
『もう、やめてよ…』
あたしは今にも消え入りそうな声で言った
「何を?」
『声…消して』
「…」
『いつまでも…こんなことしないで…
あんたは、何か利益でもあんの…?』
「利益?」
『うん…』
和樹は、あたしの前で、気持ちよさそうなことしてた
でも、直也は何にもしないんだ
あたしをイかせて
それで終わりなんだ
『脅迫で襲われるなんて…ぃやなの…』
じゃあ何を求めるのか
そんなこと
あたしが聞きたい
 
 作品トップ
作品トップ 目次
目次 作者トップ
作者トップ レビューを見る
レビューを見る ファンになる
ファンになる 本棚へ入れる
本棚へ入れる 拍手する
拍手する 友達に教える
友達に教える