 
向かいのお兄さん
第9章 祭
『え…なお…』
あたしに口を挟む暇も与えずに
直也は足を進めた
時々腕時計を確認して
そのうち、走り出していた
『…』
あたしが上手く走れないから
全速力では、走ってくれないんだ
「あ、直也と美咲ちゃん来たー!!」
しばらく走っていると、そう聞こえた
駐車場は、みんなが陣取っていて
他の人はあまりいない
「ありゃ、手繋いでんじゃん!!何しちゃってんの!?」
ひとりがそう言った
「こいつ、走んの遅いんだよ」
コツンと頭を小突かれ、あたしは直也を睨みつけた
「あれ、金魚は?」
「ああ、途中で無くした」
「金魚かわいそう!!」
直也はこっちを向くみんなを前に向かせる
「いいから、もうすぐ始まんぞ」
丁度その時
目の前を一本の光が走った
 
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