向かいのお兄さん
第21章 神さま
あたしは
家に帰った
お母さんが用意してくれていた料理は
お茶しか飲まないで
もう
眠った
次の日もセンター試験で
あたしは問題に集中したくても出来ない状態で
全然…解けなかった
試験が終わった瞬間、周りに生徒がたくさんいる中で
あたしは泣いた
昨日から泣いてばっかりだったから
腫れぼったい目をしたまま
あたしは直也の病室に入った
『…』
鞄を置き、椅子に腰掛ける
今はまだ、誰も見舞いに来ていない
この部屋は
あたしと直也だけだった
ピ…ピ…という音だけが部屋に響く静かな空間
あたしは椅子を、直也にずり寄せ
もう一度腰掛けた
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