向かいのお兄さん
第21章 神さま
『直也ぁ…』
そういえば
直也の寝顔をじっくり見るのって
初めてだな
『今日の試験、ダメだった』
体中に、針を刺されて
痛く
ないのかな?
『ずっと直也のこと…気にかかってたんだよ?』
綺麗な顔して眠る直也
『…言いたいこと…いっぱいあるんだよ…?』
あたしは直也の頬を
少し
撫でた
『言って…』
撫でていた手は
ベッドに落ちる
『キスしてって…言って…?』
また溢れ出す涙を
ぐっと堪えた
『言ってくれなきゃ…キスしなぃから…
早く…言って…?』
返事は
ない
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