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向かいのお兄さん

第25章 聞いて




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数十分すると、マンションの前に車が停まった



中から人が出て来て…おそらく店の人だろうが

車の乗り方を直也に簡単に説明すると

名前の記入だけ要求して、さっさと帰っていった




『…』



歩きで帰るのかな…?





「…」



直也は車に乗り込むと、ハンドルを握った



あたしも車に乗ると、直也はボソッと呟いた





「…車…」






『…?』





自分は車を運転したことがないなどと言っておきながら

直也はアクセルをゆっくりと踏んだ




車体もゆっくりと動き出し、カーブだって普通にスムーズに曲がれた





『…』




頭では忘れていても、体が覚えていることもあるんだ…





直也の表情からは、緊張も余裕も

どちらも見ることができた











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