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向かいのお兄さん

第25章 聞いて







『う~寒い』



何を話せばいいのかわからなかったので

とりあえずどうでもいいことを言った




「そうだなー」



『…』




そんな返事しづらいこと返さないでよ…



吹き抜ける冷たい風に耐え切れず、あたしは両手をこすり合わせた



この寒い時期だ


人もあまりいない






「手、冷える?」



『え』




直也はあたしの手を取って、そのまま自分のポケットへ突っ込んだ




「一応デート中だしな」



笑ってみせる直也に、あたしは完全に照れてしまい


そっぽを向いたまま、直也に寄り添って歩いた











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