 
向かいのお兄さん
第35章 彼女
「何かあったのー?」
『まぁ、はい、いろいろと…』
今は
誰かと喋りたい気分でもない
出来ることなら
直也と喋りたい
お目当ての本を見つけたので、あたしはそれを取り出して、貸出場所へと向かった
「悩んでることあったら、相談してもいいんだぞー?」
『ほんと、いいんで…』
「ほんとに?ほんとに?」
『構わないで下さい』
寺内先輩、思ったよりもしつこい…
あたしは本を借りると、足早に図書館を出た
「美咲ちゃん冷たいなー」
図書館を出ても、寺内先輩はついて来た
あたしの隣に寄り添うように、歩く
あたしはもう帰宅するつもりだったので、
迷わず学校を出たわけだけど…
 
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