
向かいのお兄さん
第36章 どっち
あたしが抵抗しないところを見て
かっちゃんはあたしの顔を覗き込んだ
「拒まないの?」
その質問には
言葉では応えられない
あたしは首を傾げて
かっちゃんの目を見据えることしか出来なかった
たぶん
あなたに任せます
って気持ちも
あったのかもしれない
「…いいって、ことか?」
本当にそうなのか確かめるように
かっちゃんはあたしの髪を上げて
あたしの耳に唇を当てた
くすぐったくて肩をすくめるあたしの反応を面白がるように
今度は耳たぶをくわえてみる
『…んゃ…///』
「嫌ならちゃんと嫌って言え」
『ん…』
かっちゃんの舌が
ザリザリと音を立てながら
あたしの耳を弄んだ
