テキストサイズ

向かいのお兄さん

第36章 どっち









「やっぱ、なし」






あたしはその声に、目を開いた




口には出さなかったが、驚いていることは本当だ






かっちゃんは手をついて体を起こすと、ベッドに腰掛けた







『…なんで?』





あたしも体を起こすと、じっとかっちゃんを見た






「最初っから泣いてる子とは、やりたくないの」





『…』





泣いてなんか…




とは言えなかった







あたしの頬には



しっかり涙が伝っていたから












ストーリーメニュー

TOPTOPへ